人生は、だれと出会うかによる。(本部教室 鈴木)

こんばんは。本部教室講師の鈴木です。
オンライン保護者会にご参加頂きまして、ありがとうございます。明日のオンライン保護者会にご参加予定の方もどうぞよろしくお願い致します。
オンラインといえば、「オンライン自習室」も今週から始まりまして、先週呼びかけた子たちがさっそく参加してくれていて嬉しく思います。中には3時間連続で参加していた子もいたので、「すごいなぁ」と感心しきりです。後日、その子に感想を聞いたのですが、「いつもとちがって時間が経つのが早く感じられ、あっという間に終わってしまった」と言ってくれました。それくらい集中できていたようなんですね。これを機に、利用してくれる子がどんどん増えてほしいな、と思います。
さて、今日は自律性と他律性について記しておきたいと思います。
話の大本は戸谷洋志さんの『SNSの哲学 リアルとオンラインのあいだ』というご著書にあります。引用はすべてこちらからになります。
自律性とは「自分を自分で律することができる」ことで、他律性とは「他者に律される」ことです。つまり、「他者に頼らないでいられることが自律性、他者に頼らないではいられないことが他律性」ということです。 そして、話の核心は、自律性とは他律性のなかからしか育まれてこない、という点にあります。
明倫館でも、「○○さんって、とても几帳面だよね。だってさ、さっき私が言っていたことをノートの片隅に書いているじゃない? それってだれでもできることじゃないよ」というような場面があるのですが、不思議と言われた本人がポカンとしていて、腑に落ちていないようなときがあるんですね。中には、「そんなこと初めて言われました」という子もいます。こちらとしては思ったことを述べているだけ、つまりごくあたりまえのことを言っているだけなのですが、当の本人がそれを自覚していないということが往々にしてあるのです。
「そうした、他者とのかかわりからもたらされる気づきの蓄積が、『自分は何者なのか』『自分には何ができるのか』というアイデンティティの形成には欠かすことができない」と、戸谷さんはご著書で書かれています。
自分は他者によって形成されるということなのでしょう。そう思うと、進みたい小学校、中学校、高校、大学には、一体どんな人たちがいるのだろう、という視点は持っていてもよいのではないかと思うのです。人生は、だれと出会うかによる。自律性と他律性の話は、そんなことを考えさせてくれます。