「相対化」という力 —見方を変えると人生が変わる?
明倫館小鹿教室のブログをご覧いただき、
誠にありがとうございます。
明倫館小鹿教室の永倉です。

◆「なんで自分だけ…」と思うとき
日々、生徒たちと話をしていると、
「なんで自分だけ勉強ができないんだろう」
「なんで友だちはあんなに楽しそうなんだろう」
そんな言葉を耳にすることがあります。
誰にでもあります。
ふと、他人と自分を比べて落ち込む瞬間。
でも、そのときに大切なのが「相対化」という考え方です。
◆相対化とは「一歩引いて見る力」
相対化とは、
「自分の立場や考えを、少し離れた視点から見ること。」
たとえば、テストの点数が思うように取れなかったときに
「自分はダメだ」と思ってしまう前に、
こう考えてみるのです。
「前回よりも伸びたところはどこだろう?」
「この問題は、全員が苦戦していたのでは?」
「今の自分の位置を、全体の流れの中で見てみよう。」
すると、「失敗」だと思っていた出来事が、
「成長途中の一場面」に変わります。
◆視点が変わると、感情も変わる
心理学の世界でも、「認知の再構成」という言葉があります。
同じ出来事でも、見方を変えることで、
感じ方がまるで違ってくるという考え方です。
たとえば…
「部活でレギュラーになれなかった」
→「周りの上手な人から、技を学ぶチャンスだ」
「テストで平均点だった」
→「今の努力が維持できている証拠。ここから伸ばそう」
こうして「相対的に見る」ことができる人は、
つまずきに強くなります。
なぜなら、失敗を全体の中の一部として受け止められるからです。
◆親としての「相対化」
保護者様にとっても、
相対化はとても大切です。
お子さまの成績や様子を見て、
「うちの子だけが…」と
不安になることがあると思います。
でも、教育の現場に長くいる私から見ると、
一人ひとりのペースは本当に違います。
「早く伸びる子」
「ゆっくり伸びる子」
どちらが良い・悪いという話ではなく、
『それぞれの時計が違う』と考えます。
今は芽が出ていなくても、
見えないところで根を張っている時期かもしれません。
大切なのは、「他の子と比べること」ではなく、
「昨日の自分(あるいは昨日のお子さま)」と比べること。
それが「相対化」の本質です。
◆相対化できる子は、伸びる子
相対化の力を持つ子は、
成績だけでなく、人間的にも成長します。
なぜなら、自分の感情や状況を「客観的に見られる」からです。
例えば、友人関係のトラブルが起きたとき、
感情のままにぶつかるのではなく、
「相手の立場から見たらどうだろう?」と考えることができます。
その一歩が、大人への階段を上る第一歩になります。
◆「相対化」は訓練で身につく
この力は、生まれつきの才能ではありません。
日常の中で、少しずつ鍛えられる「思考の筋肉」です。
明倫館では、生徒たちにこんな問いかけをしています。
「この問題、違う角度から見たらどうなる?」
「もし君が先生だったら、どこを注意する?」
「今の結果を前回比で見たらどう感じる?」
こうした問いを繰り返すことで、
子どもたちは自然と「相対化の視点」を身につけていきます。
◆点数だけでなく、「見方」を育てる
勉強の目的は、点数を上げることだけではありません。
「自分の考えを整理し、広げること」も大切です。
相対化とは、まさにその訓練。
たとえ点数が同じでも、
「なぜそうなったのか」を考えられる子は、
次のテストで確実に伸びていきます。
◆最後に… 世界の見え方を変える力
私たちは日々、たくさんの「比較」にさらされています。
SNSで、友人の成績や生活を目にし、
「自分だけ取り残されている」
と感じることもあるでしょう。
でも、忘れないでください。
あなたの人生のペースは、
あなたのものでいいのです。
世界を相対化できる人は、
他人の成功に焦らず、
自分の歩みに誇りを持てる人です。
明倫館は、成績だけでなく、
「考え方の成長」も大切にしています。
点数や順位に一喜一憂するだけでなく、
「どう考えるか」「どう受け止めるか」
を一緒に育てていきましょう。
学びの本質は、
「自分の見方を変えること」。
それができるようになったとき、
子どもたちは、世界をもっと自由に、
前向きに歩いていけます。
最後までお読みいただき
誠にありがとうございました。
明倫館小鹿教室
教室長 永倉秀樹
TEL:054-269-5338

