社会学は面白い。「当たり前」を問い直す力を育てよう

明倫館小鹿教室のブログをご覧いただき、

誠にありがとうございます。

明倫館小鹿教室の永倉です。


今日は少し「学問」のお話を書きたいと思います。
理科でもなく、数学でもなく、

「社会学」という分野についてです。

「社会学って、何を学ぶの?」
多くの人がそう尋ねます。
 

社会学とは、簡単に言えば、

人と人との関わりを科学的に考える学問です。
もっと言えば、

「社会の仕組み」「人々の行動のパターン」「常識の裏にある理由」

などを明らかにする学問です。

■「なぜ人は並ぶのか?」も社会学のテーマ

例えば、コンビニでレジに列をつくる。
電車を待つとき、自然と一列に並ぶ。
誰も指示していないのに、秩序が生まれます。

これを、社会的秩序と呼びます。
社会学では、

「なぜ人は秩序を守るのか」

「どんな仕組みで成り立っているのか」を考えます。
もし全員が自分勝手に動いたら、

社会はどうなるでしょうか…?
きっと混乱しますよね。
つまり、社会には見えないルールが存在し、

それがみんなを安心させているのです。

このように、私たちの「当たり前」は、

社会学の視点で見ると驚くほど深い意味を持っています。

■「常識」をひっくり返す学問

社会学の面白さは、「常識を疑う」ことにあります。
たとえば、
「勉強ができる人はえらい」
「大学に行くのが普通」
「男の子は強く、女の子は優しくあるべき」

こうした当たり前の考え方は、

いつ・どこから生まれたのでしょうか?
社会学は、こうした「見えない常識」に光を当てます。
それがいつの時代に形成されたのか、

どんな影響を与えているのかを探るのです。

つまり、社会学とは「空気を読む」学問ではなく、

「空気を分析する」学問です。

■学校生活も社会学で見ると変わる

社会学を学ぶと、学校の見え方が変わります。

クラスには、

リーダー的な人、ムードメーカー、静かに支える人など、

自然と役割が生まれます。
これは「集団のダイナミクス(力学)」と呼ばれる現象で、

社会学の研究対象そのものです。

たとえば、

みんなが意見を言えない雰囲気のクラスは、

「同調圧力」が強い状態です。
一方、自由に発言できるクラスは

「多様性」が尊重されていると言えます。

このように、社会学の視点を持つと、
「なぜクラスの雰囲気が変わったのか」
「どうすればみんなが居心地よく過ごせるのか」
が見えてきます。

■SNS社会も社会学の研究対象

現代の社会学は、

SNSやインターネット文化とも深く関わっています。
「なぜバズる投稿が生まれるのか?」
「なぜ炎上が起きるのか?」
「なぜ人は、いいねの数に一喜一憂するのか?」

これらも、すべて社会学のテーマです。

実はSNSの世界は新しい社会です。
フォロワーの数、拡散の速さ、共感の連鎖など…。
すべてが社会の縮図であり、

人間関係の再現なのです。

SNSをただの遊び場として見るか、
「人間行動の実験場」として見るかで、

学びの深さはまるで違います。

■社会学が育てる「問いを立てる力」

社会学の最大の魅力は、

「答えを探す前に、問いを立てる力」が育つことです。

社会には唯一の正解が存在しません。
ある出来事に対して、

立場や背景が違えば見方も変わります。

たとえば、学校で「いじめ」が起きたとき、
加害者・被害者・周囲の友人・教師・保護者、
それぞれの立場で感じ方が違います。

社会学は「どちらが正しいか」を決める前に、
「なぜそのような構造が生まれたのか」
「何が人をそう行動させたのか」
を丁寧に探ります。

この姿勢は、これからの時代にとても大切です。
AIが答えを出してくれる時代だからこそ、
「何を問うか」が人間の知性を決めるのです。

■社会学的な視点は、人生にも役立つ

社会学を学ぶと、

自分や他人を客観的に見る力がつきます。
「なぜあの人はあの行動をしたのか?」
「なぜ自分はそう感じたのか?」

感情の背後にある社会的背景を見抜けるようになると、
人間関係のストレスが減り、対話が豊かになります。

つまり、社会学は「人と上手に関わる力」を育てる学問なのです。
友達との関係、家族との関係、社会との関係。
すべてが学びの材料になります。

■塾で育てたいのは「社会を見る眼」

明倫館小鹿教室では、テストの点数だけでなく、
社会を見る眼も育てたいと考えています。

勉強は、ただ覚えるだけではなく、
「なぜそうなるのか」を考えることに意味があります。
数学にも社会学的な視点がありますし、

国語の読解も「人の心と背景」を読み解く点で社会学に通じます。

社会学の考え方を知ることで、
「知識を覚える勉強」から

「世界を理解する学び」へと変わります。

■最後に

社会学の根底にあるのは、人への関心です。
人を理解しようとする姿勢、
違いを認め合う心、
そして「誰かの立場に立って考える力」。

それこそが、社会を良くする第一歩です。

社会学は、知識を増やすための学問ではなく、
人を思いやるための学問です。

明倫館小鹿教室では、
勉強を通して

人としての成長を大切にしています。
点数の先にある「学ぶ意味」を

一緒に考えていきましょう。

最後までお読みいただき

誠にありがとうございました。

明倫館小鹿教室

教室長 永倉秀樹

TEL:054-269-5338