子どもの心のエンジンに火をつける(塾長)
こんにちは
明倫館塾長の永倉です。

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シリーズで
子どもの力を引き出す!アドラー心理学×教育 実践ガイド
について書いております。
本日は、第6回となります。
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アドラー心理学×教育|塾名が明倫館だから館長じゃね?と思っている塾長の日記ブログ明倫館塾長の永倉さんのブログテーマ、「アドラー心理学×教育」の記事一覧ページです。ameblo.jp

■ 「やる気スイッチ」は外から押せない?
「どうしたら、もっとやる気を出してくれるんだろう?」親や先生なら、誰もが一度は思ったことがある問いです。つい「100点とったらご褒美ね!」や「〇位以内ならゲームしていいよ」といった外発的動機づけに頼りがちですが、アドラー心理学ではこれを本当の意味でのやる気とは見なしません。アドラーが目指したのは、子どもが「自らやりたい」と思って行動する「内発的動機づけ」を育てる教育です。
■ 「やらされる勉強」vs「やりたくなる勉強」
勉強の目的 | 子どもの反応 | 長期的な成長 |
---|---|---|
「怒られないため」 | 受け身・ストレス | 一時的な努力に終わる |
「褒められたい」 | 他人基準・依存傾向 | モチベ維持が難しい |
「面白い・知りたい」 | 自発的・探究的 | 継続力・思考力が伸びる |
つまり、やる気を外から操作しようとするほど、子どもは本質から離れてしまうのです。
■ 他業界の事例:Googleが採用する「20%ルール」
Googleでは、社員が勤務時間の20%を「自分がやりたいと思うプロジェクトに自由に使ってよい」という制度があります。この仕組みから生まれた代表例が「Gmail」や「Google News」です。やらされるのではなく、自分が選んだ仕事だからこそ、創造性や情熱が爆発的に高まるのです。教育にも、この考え方は応用できます。子どもに選択肢を与えることで、「これは自分で決めたこと」という主体性と責任感が生まれます。
■ 内発的動機づけを育てる3つの柱(アメリカ教育心理学会の研究より)
① 自律性(Autonomy)
→ 自分でやることを決める機会を与える
例:「このドリルとこのプリント、どっちからやる?」
② 有能感(Competence)
→ 自分にはできる、という感覚を持たせる
例:「この前より速く終わったね!」
③ 関係性(Relatedness)
→ 周囲とのつながりや安心感を感じられる
例:「一緒にやってみようか」「応援してるよ」
これらを満たすことで、子どもの内側からわきあがるやる気が形成されます。
■ 実践例:家庭や塾でできる、やる気づけの関わり
よくある場面 | アドラー的な対応 |
---|---|
宿題をやりたがらない | 「今日はどの順番でやる?」→選ばせる |
テストに不安を感じている | 「この前できたところ、もう一回やってみよう」→できる感覚を強化 |
勉強が続かない | 「頑張ってるね。何かサポートできることある?」→つながりを確認 |
強制や評価ではなく、「選ばせる・信じる・支える」ことが鍵です。
■ 「学ぶって面白い」と思える瞬間を
やる気とは、外から与えるものではなく、内側から湧き上がるもの。
その源泉は、「できた!」「わかった!」の快感、「自分でやり遂げた」達成感、「誰かの役に立てた」という誇りです。こうした小さな成功体験や実感です。
■ 内発的動機づけが、子どもを一生学び続ける人に変える
・ご褒美や罰で動かそうとしない
・子どもに選ばせる、考えさせる
・「できた」にフォーカスして有能感を育てる
アドラーはこう言います:「教育とは、子どもが自らの力で生きていけるようにすることである」だからこそ、「自ら学ぶ力=内発的動機づけ」こそ、もっとも大切にしたい力なのです。
最後までお読みいただき、
誠にありがとうございました!

明倫館塾長
永倉秀樹