アドラーが教える「見守る勇気」とは
こんにちは
明倫館塾長の永倉です。

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シリーズで
子どもの力を引き出す!アドラー心理学×教育 実践ガイド
について書いております。
本日は、第9回となります。
どうぞ、宜しく御願い致します。

アドラー×教育シリーズ↓アドラー心理学×教育|塾名が明倫館だから館長じゃね?と思っている塾長の日記ブログ明倫館塾長の永倉さんのブログテーマ、「アドラー心理学×教育」の記事一覧ページです。ameblo.jp
■ 子育てや指導でありがちな「やりすぎ」のワナ
「宿題やったの?」「テスト勉強したの?」「忘れ物しないようにチェックした?」「そんなんじゃ将来困るよ!」 つい、子どものやるべきことにまで踏み込んでしまう。親なら誰しも経験があると思います。でも、それは、「大人が背負う必要のない課題」にまで口を出している状態かもしれません。アドラー心理学では、これを「課題の分離」と呼び、明確な線引きを重視します。
■ 「課題の分離」とは何か?
アドラーはこう定義します。「その選択の結果を最終的に引き受けるのは誰か?」この問いを基準に考えたとき、たとえば「勉強しない」という選択の結果(点数が下がる、理解が遅れる)を最終的に引き受けるのは子どもです。つまり、勉強するかしないかは「子どもの課題」であり、大人が無理やり手を出すべきものではないのです。
■ 他業界の事例:トヨタの「現場主義」
トヨタ生産方式では「現場・現物・現実」の三現主義が有名です。マネージャーは手を出す前に、「その現場を見て、自分の課題かどうかを判断する」という徹底した姿勢を持っています。この思想は、教育にも応用できます。「子どもの失敗=親や教師が背負う課題ではない」という視点を持つことで、子ども自身の責任感と主体性が育ちます。
■ 親や教師がやるべきは「境界線を引く」こと
| 課題の種類 | 誰の課題か | 大人の対応 | 
|---|---|---|
| 勉強する・しない | 子ども | 結果を見守る | 
| 挨拶をする・しない | 子ども | モデルとなるだけ | 
| 友達とどう関わるか | 子ども | 助言はできるが、介入しない | 
| 安全な環境を整える | 大人 | 当然の責任 | 
| 愛情を注ぐ・見守る | 大人 | 自分の選択として行う | 
ポイントは、「干渉しない=放任」ではなく、「尊重する」こと。
■ 見守る勇気を持つための3つのコツ
① 「助けたくなる衝動」に気づく
→「今、私はこの子の課題に手を出そうとしている?」と一歩立ち止まる
② 「困る経験」をさせる
→失敗しても、「そこから学ばせること」が最も価値ある成長
③ 「やらせる」ではなく「選ばせる」
→「どうするかはあなたが決めていい。でも、結果は自分で引き受けてね」と伝える
■ 子どもとの関係がラクになる
課題を分離できるようになると、
・過干渉による親子バトルが減る
・子どもが「自分で責任を持つ」ようになる
・教師は「支援者」としての立場を明確に持てる
つまり、お互いが自立した関係性を築けるのです。
■ まとめ:「支配」ではなく「尊重」が関係を変える
アドラー心理学の「課題の分離」は、親や教師が「責任を手放す」ことで、信頼関係が深まるという逆説的な知恵です。「子どもは、任されたときに責任を持つようになる」 大人の見守る勇気が、子どもの引き受ける勇気を育てるのです。
最後までお読みいただき、
誠にありがとうございました!

明倫館塾長
永倉秀樹


