目標設定が曖昧な生徒を変える保護者の声かけ
明倫館塾長ブログをご覧頂き誠にありがとうございます。
明倫館塾長の永倉です。
「何のために勉強しているの?」
この問いに、明確に答えられる中学生は実は多くありません。
「成績を上げたいから」
「怒られないため」
「なんとなく」
こうした曖昧な理由のまま勉強を続けると、
努力の質はどうしても落ちてしまいます。
逆に、自分の言葉で目標を語れる生徒は、
ブレずに努力を続けられるようになります。
そのために欠かせないのが、
家庭でのちょっとした声かけです。
今回は、生徒の目標設定をサポートするための
「フレーズ」と「タイミング」について書きたいと思います。

■① 勉強以外の会話から価値観のヒントを見つける
いきなり「目標は?」と聞かれても、
生徒は答えられません。
まずは日常会話の中で、
子どもが何に喜び、
何に悔しさを感じているのかを
丁寧に拾っていくことが大切です。
たとえば、
・部活で褒められた話
・テストで悔しかった教科
・最近興味を持ち始めたこと
こうした話題から、
子どもが「本当に大事にしたいもの」が見えてきます。
そこが目標設定のスタート地点です。
声かけ例:
「今の話、すごくあなたらしいね。そこを伸ばすために、どんなことができそう?」
■② 選択肢を狭めすぎない質問をする
保護者がやりがちなのが、
答えを誘導する質問です。
「高校はどこに行きたい?」
「何点を取るの?」
こう聞かれると、
生徒は親の正解を探そうとしてしまいます。
大事なのは、子どもの視野を広げる質問です。
声かけ例:
「今よりちょっと良くなったら嬉しいことって何?」
「どんな自分になれたら誇らしい?」
「やってみたいって思ってること、実はない?」
小さな願望でも構いません。
それが後の本物の目標につながります。
■③ タイミングは「成果」ではなく「変化」を感じた瞬間
目標についての声かけは、
テスト結果が返ってきた日よりも、
日々の変化を感じた瞬間が最適です。
・宿題のペースが安定した
・ノートが丁寧になった
・自分から質問できた
・苦手教科に取り組む回数が増えた
こうした変化に気づいたとき、
ぜひ言葉にして伝えてください。
声かけ例:
「最近のあなた、いい感じだね。どんな気持ちでやってるの?」
「その変化の奥に、何か目標があるの?」
変化を認めてあげることで、
生徒は自然と自分の目標を言語化できるようになります。
■④ 目標は固めすぎないことがむしろ大事
中学生はまだ成長途中です。
興味も価値観もどんどん変わります。
最初から完璧な目標を作る必要はありません。
むしろ、
「今の自分にとって自然に前に進める目標かどうか」
を大事にした方が、長続きします。
塾でも保護者と共有しながら、
目標の微調整を繰り返すことで、
より深い納得感が生まれます。
■目標は押しつけではなく引き出すもの
生徒は、自分が納得して掴んだ目標に対しては
驚くほど強くなります。
それは、誰かに言われた目標では決して得られない力です。
大人の役割は、目標を与えることではなく、
生徒が自分の中にすでに持っている芽を、
言葉でそっと引き出すこと。
その積み重ねが、
「何のために勉強するの?」に
自分の言葉で答えられる生徒を育てるのです。
最後までお読みいただき誠にありがとうございました。
明倫館
塾長 永倉秀樹
TEL:054-204-3911(明倫館本部教室)
click↓



